喝!自動車機能安全コンサルタント ブログ

2019年6月26日 自動車機能安全

安全システムの重要な安全機構の欠落

先週、ドイツの友人であるBMWのRよりメールが来て、VDAに来るのか、と聞かれ、行くよと答えたら話さないか、とお誘いが。
急遽、初日の滞在先のフランクフルトを朝の6時に出てミュンヘンに向かい夕方帰ってくる日帰り出張となった。
彼とは2011年、初めて開催された第1回VDAカンファレンスの発表者リストを入手しメールを送りまくりコンタクトした最初の技術者の一人であった。
BMWの機能安全活動を推進しISO26262の国際会議にドイツのエキスパートとして参加した者であるが2年前いろいろあって(どこの国でも同じであるが)26のエキスパートからはずれ、BMWのADに移動した技術者である。
相変わらず元気(そう)で、髪が薄くなったのと腹がさらにでてきた以外目の輝きは変わっていなかった。
彼とは、日本でおきている老人によるアクセルとブレーキの踏み間違い事故の話も話題にした。
最近、日本では非常にこの手の事故が多いがE/Eの故障による事故ではないのか、と小谷田は危惧していると話したところ、ドイツではオートマ車よりマニュアル車のユーザーが多いから日本のような事故のニュースはドイツでは気が付かないのでは、と言っていた。
日本の老人の運転スキルがそんなに低いのか、なんて話もしたが、そもそも車に対する思い入れが国によって違うことが一因かも、と話を聞いていて感じた。
小谷田が議論したかったのは、「今の自動車は、事故の原因がE/Eの故障による事故ではない、と論証する機能を持っていないがどう思うか?」であった。
安全を扱う立場では40年前から当たり前の機能であるが、自動運転をうたう自動車でなぜその機能を入れないのか不思議だがE/Eの歴史が浅いので急激な変化についていけないのが実情ではないかとの意見を受けた。
ISO26262の第2版では、安全機構のことを初版より詳細に記載しているが、一番重要な「ハザード発現時の評価機構」が入っていないことを指摘し、結構バグだらけだネ、と話をした。
彼は、現在BMでのADサービスの推進者なので、ぜひ、BMから要求してほしい、とも話した。
ADサービスからの要件であれば、自動車の安全に対する仕組みの実装も可能、と考えて仕掛けたのであるが、・・・・・。
小谷田が思うに、エアーダウンロード、セキュリティリスク評価、ADAS、AD等2011年当時より技術を確立・評価していったBMWはパイオニアであり、かつチャレンジャーであると感じていた。
が、車側に評価機構のための機能を実装することに対し、のってこない。
どうも、ADについては小谷田が思う以上に早い段階で、路車間協調の路側に重要な機能を実装し、自動車は単なる端末(小谷田が従前より話している携帯電話の位置づけ)にしようとしているような・・・・。
単なる端末ならば車側に無理なお金をかけず、全て路側に情報を集める仕組みさえ作ればよいことになり・・・・。
そんな戦略でドイツは考えているのではないか、と感じる時間であった。
関税障壁の対象とならなければ良いのであるが、国が生き延びる手段としての戦略であれば仕方がない、戦略の無い国は亡びるしかない、というのが小谷田が言い続けてきたことであり、それを実行に移しているような気がした。
その様な中、日本はどこに向かうのだろうか?
他にも有意義な意見交換ができたが、Rも言っていたが、「機能安全技術者の前に技術者がいないんだ、小谷田」と、元ダイムラー、現シャフラーのMと同じことを言ったのが印象的であった。