喝!自動車機能安全コンサルタント ブログ

2019年6月18日 自動車機能安全

ガイドラインを使ってみた

Automotive SPICE ガイドラインを実アセスメントで使用してみた。顧客からはガイドラインに準拠することを要件化されなかったが、そうはいっても、欧米OEMから顧客が準拠したうえでのアセスメント結果か問い合わせを受けることを想定し、どう答えるかを考えるきっかけとして使用してみた。
アセスメント対象のプロセスが20プロセスほどあり、各プロセスに対しアセスメント評価結果をガイドラインのRL、RC項目各々について確認を行った。
その印象を以下に記載する。

先ず第1に、時間がかかった。
勿論、顧客のアセスメント要件でないので請求はできないが、問い合わせに対し顧客に恥をかかせないようにしなくては・・・。
第2に、・・・・、当たり前のことしか書いていない。
Aができていなければ、当然、同じ考え方のBができるはずはない、・・・とのことで、小谷田が松下時代に経験してきたプロジェクト管理等プロセスの考え方の因果関係が書いてある、と感じた。
リスク管理のできないPLにプロジェクト管理はできない・・・・、等。
第3に、・・・・、これイイジャン、今まで俗人的に考えて活動してきたことが目に見える形で目の前に整理され提示されている。
なかなか、小谷田のスキルでは、ここまで整理し文書として情報共有可能な形態で残すことはできない。
教科書としてはよくできている。この歳になって未だに「生涯勉強!」と感じてしまった。
第4に・・・・、そうはいっても、自分のアセスメント評価結果とガイドラインにズレが生じたときに、ガイドラインに従うべきか、反論すべきか、この判断は結構議論が燃えた。
おもしろかった。
第5に・・・・、ガイドラインに準拠することを顧客が望んだ時にアセスメントコストの増加を顧客は覚悟しているのだろうか。
ガイドラインなので準拠する必要はないが、日本の顧客は全く何も考えないで準拠を要求してくるので(顧客の上席組織が要求してきたらそのまま下に流すのが日本人なので)、機能安全と同様、100%準拠しろ、と言ってくると予想する。
その際、アセスメント組織は、準拠していることの証拠をどのように提供するのか、どの様なエビデンスを提供すれば準拠しているといえるのか・・・、これ判るだろうか。
アセスメント結果の準拠評価の時間、そのエビデンス作成の時間を考えると、結構、アセスメント工数は膨らむ。アセスメント依頼組織にその金額の増加を払う覚悟はあるのか。
レベル3の紙を欲しがる何の意味もないアセスメントを依頼する組織の多い現状を考えると、小谷田の心配は膨らむばかり・・・。
第6に・・・・、ガイドラインとのギャップを議論することが楽しかった、と書いたが、この議論についていける、根拠の言えるアセッサが日本には何人いるだろうか。
アセスメント実施の考え方の基礎は、アセッサ自身の開発経験に基づくところが多く、プロジェクト管理や開発そのものの実経験に基づくQCD担保の勘所と押えどころが、アセスメント対象のプロジェクト特性により揺さぶられる・・・、これを顧客のプロジェクト状況に応じて根拠を持って評価を調整していくのであるが・・・・、この調整幅が小さいアセッサは・・・・、え~イ、めんどくさい、ガイドラインをたてに結果を出しちゃえ!!と、なりそうな・・・・。
松下時代は、開発のセンスのない社員は品証に追い出された。
その開発経験のない品証がA SPICEのアセッサになることが多い(暇なので)が、アセスメントではなく監査になってしまう。
その様なアセッサにとり、ガイドラインは便利な武器になり、開発現場には大きな(Huge)リスクとなる・・・・。
ま~、様々なことを考えつつガイドラインを使用してみたが、小谷田にとっては、ありがたいガイドラインでありました。
日々、これ勉強!デスネ。