喝!自動車機能安全コンサルタント ブログ

2019年4月25日 自動車機能安全

Automotive SPICEアセスメント

SPICEアセッサの立場で、かつ、信奉者である小谷田がこんなことをいうのはおかしいかもしれないが、「今の自動車業界の組込開発現場において、Automotive SPICEアセスメントは糞の役にも立たない!」と、言わざるを得ない。

20年前、三河のOEMから「D社、AW社の当て馬としての役割を果たせ!」と言われてきた立場で、顧客含めた実走テストで発生したバグは、致命的であった。

「何で今頃こんなバグがでるの?、前回リリースでは問題なかったのになぜ?、あんた、何やってるの!」と管理するマネージャの立場として呼び出され詰問され、さげすまれ、挙句の果てに事業部長から「事業をつぶす気か、小谷田!」と、土下座させられた経験は、地獄だった。

無事に納品し何とか事業を継続し後輩にバトンを渡した自分ではあったが、部下不信、上司不信、ぶっ殺してやろうか、なんて、何度も考え夢の中で何人も殺す自分を妄想する毎日であった。

そのような中、出会ったのが、CMMを使用したプロセス改善活動であった。

品質不良、品質が安定しない、先祖返り・・・、等々、苦難の開発の中で人に恨みを抱いていた自分に対し、プロセスに問題がある、との新しい考え方は目から鱗であった。

過去の問題を考え、プロセスのどこに問題があるのか、そもそも、プロセスと言えるものだったのか、様々な反省点が頭に明確になったのである。

なぜ、プロセスは重要か、なぜ、プロセスを見える形で定義するのか??、等々、改善のInputとしての道具であることも見えてきた。

品質不良の根源は個々の俗人的な活動による第3者に見えない形の活動であること、過去からそうであった、との訳の判らない根拠からくることも理解した。

だから、プロセス改善が重要で、皆で考えることが大切であると認識した、認識できた。

プロセスも自分たちで作成した。

他人(例えば品証組織)に作らせるのではなく、開発の現場が作ることが大切であると認識した。

アセスメントにより第3者に評価いただき、自らが認識しなかったことを気づかせてくれる、何と素晴らしい活動であろうか!

そのような経験からプロセス改善の信奉者となった身からすると、今の開発の現場での活動は・・・・、アセスメントは開発現場にとり何が目的なのか・・・・判らない。

アセスメントをしたときに重要なのは、開発者が改善の気づきを・・・・、ヒントを得られるか、であると思う。

アセスメントを受ける立場が、改善の気づきを得られないアセスメントは失敗である、と考える。

だから、今の自動車業界のやらされ感満載のアセスメントは「糞の役にもたたない」と断言する。

原因は、アセッサのスキル不足(そもそも、開発経験のない人材がアセッサになってはいけない、悲劇になる)もあるが、アセスメントを受ける側の覚悟・目的がないこと、自らのスキル向上の手段にしてやろう、との覚悟がないことと思う。

しかし、そもそもアセスメントの目的や開発現場としてのとらえ方の目的を、最初にボタンをかけるコンサルが説明しているのであろうか?

規格の説明しかできない開発経験(小谷田の言う開発経験とはサービスレベル、アイテムレベルの開発をした経験でありコンポーネントレベルの経験ではない)の無い評論家的コンサルしかいない現状を見ると、それも仕方ないか・・・・?

アセスメントを受ける側は、アセスメントを受けて気付きを得られなかったらアセッサを首にし、差し違えるぐらいの覚悟を持って臨んでほしい。

だって、意味の無いアセスメントを受けても時間の無駄だから・・・。

そうすれば、なんちゃって評論家アセッサも淘汰されるし、開発現場のスキル向上にも繋がるし、もっと、開発現場の若手技術者が胸をはって説明責任を果たせる強い職場になると断言する。(経験者は語る)

せっかく、会社が金を出してアセスメントを受けさせてくれるのだから、先ずは自分のスキル向上のために、そして、結果、会社の組織力向上、競争力向上の道具として考えるべきである。

やはり、今の自動車分野はゆでガエルのバブル状態である。うらやましい。